【PCゲーム】G線上の魔王 レビュー【ダウンロード/DL版】

発売日2008年5月29日
 ジャンル  命をかけた、純愛ADV
メーカーあかべぇそふとつぅ
対象年齢R-18

2008年にあかべぇそふとつぅから発売されたアドベンチャーゲーム『G線上の魔王』。

本作は、美少女ゲームアワード2008で大賞を受賞し、同時にシナリオ賞、グラフィック賞、ユーザー支持賞も獲得するほどプレイヤーからの評価の高い作品です。

今回はそんな『G線上の魔王』をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。

目次

『G線上の魔王』について

『G線上の魔王』のストーリー

真冬。
粉雪の舞う大都市に’魔王’が出没した。
望みは、無論、人間社会の崩壊である。


主人公・浅井京介は、学園に通うかたわら、養父のビジネスを手伝って、
存外な大金を動かしていた。
倣岸な養父に影響を受けた彼は、才能を余すところなく発揮して、
ついには有名企業のブレインとしての顔を持つようになっていた。


けれど、彼は普段はクラシックを愛するひょうきんで明るい青年である。
クラスメイトの椿姫と義理の妹の花音、親友の栄一に囲まれながら、
楽しい学園生活を送っている。


そんな京介の平凡な日常にも、危機が迫っていた。
花音の出場するフィギュアスケートの全国大会が脅迫され、
椿姫はずっと守ってきた住居から立ち退かされる。
学園では謎の集団が人質を取って立て篭り、
市内でも裕福層の子供たちが次々と失踪していく。
一連の事件はすべて、地下都市を根城とする’魔王’の仕業だという。


そんなとき、一人の少女が訪ねてくる。
少女は、正体不明の’魔王’をあぶりだすべく、
頭脳を駆使した心理戦をしかけていった。
流れるような長髪の美少女、宇佐美ハル
彼女こそが、京介の忌まわしき少年時代を、ともに戦ってくれた’勇者’だった。


十年ぶりの再会――
いま、命をかけた純愛ドラマの幕が上がる――

G線上の魔王より引用

登場キャラクター

宇佐美ハル

ただ一人の幼馴染
冷静で思慮深く、とてつもなく意志が強い。
型破りの発想と大胆不敵な行動で、幼少期、孤独だった主人公を救った。
魔王の出没に合わせて、主人公の学園に編入してくる。
ミステリアスで近づきがたい雰囲気を持つ。
特技はヴァイオリン。
出身地は北極だと言い張るが、たぶんウソである。
ペンギンとか超好き。


浅井花音

主人公の義理の妹
同い年で同じ学園に通っているが、同居はしていない。
笑顔ばかりで、いつもお口が半開きな印象だが、
フィギュアスケートの実力は全国レベル。
大好きなお兄ちゃんのために、ちくわで笛を吹けるようがんばった。
怒ると髪がバッハっぽく・・・・・・。


美輪椿姫

クラスメイト
純情で控えめな性格だが、クラス委員で人望がある。
子だくさんな家庭の長女であり、しっかり者の苦労人でもある。
日々のささいなことも日記をつけるので、
会話もたまに日記調になる。


白鳥水羽

クラスメイト
学園の理事長の娘なのだが、寡黙で誰とも関わろうとしない。
友達になろう話しかける主人公を極端に遠ざけようとする。
毎朝早く教室に来て、誰の目にも触れない花に水をやったり、
捨てられた子犬にエサを与えたりと、心優しい一面もあるのだが……。


時田ユキ

ハルの数少ない友人の一人
ハルに続く形で学園に転入してくる。
妖艶な雰囲気があるが、気さくで頼れるお姉さまとして
すぐに学園に溶け込んでいく。
その頭脳の冴えはハルも認めるところで、特にネゴシエーションの能力は
ハルよりも上だという。


浅井権三

主人公の養父にして強欲の怪物
高利貸しを営み、並外れた凶暴さと、徹底した利己主義によって
関わった人々を不幸に陥れる。
狩猟の趣味が知れ渡っているせいか、歓楽街の住人たちから野獣と恐れられている。
養子の京介を利用する一方で、多大な期待を寄せ、
自分のあとを継がせようと考えている。


相沢栄一

主人公の友達。 腹黒い
狙ってるとしか思えない容姿を武器に、 年上の女性をたぶらかしていく。
しかし、あまり要領がよくないためか、すぐにその邪悪な心を見抜かれる。
ホスト気取りで自分の誕生日を聖誕祭と呼ばせる。
趣味は恋愛資本主義との闘争。

『G線上の魔王』のゲーム性

本作は一般的なアドベンチャーゲームと同じく、主人公の行動の選択によってストーリーが分岐していきます。

エンディングには

  • 美輪椿姫
  • 浅井花音
  • 白鳥水羽
  • 宇佐美ハル

の4つのルートがあり、宇佐美ハルのルートをクリア後に真エンディングに自動的に進行します。

1章から5章までのストーリーがあり、攻略するキャラクターによって完結する章が違うのでストーリーの全貌を隠したまま個別ルートを進行できます。

良かった点

裏切りの連続の予想不可能なシナリオ

予想できない展開が繰り広げられる推理バトルが面白いのが本作の特徴。

章が進むごとに「魔王」との因縁や事件のスケールが大きくなっていくので、終盤に向かうほどやめ時が分からなくなるほど引き込まれます。

サスペンス系の作品が好きな人に特にハマるような内容です。

クラシックをアレンジした上品なBGM

『G線上の魔王』というタイトルだけあって、バッハの「G線上のアリア」やシューベルトの「魔王」などの誰もが一度は聴いたことのあるクラシック曲がアレンジされたBGMが流れています。

その他にもクラシックの話題や主人公の会話もたびたび登場するので、全体的に上品な雰囲気を感じられました。

感動と切なさの残る真エンディング

宇佐美ハルルートクリア後に見られる真エンディングが主人公の自己犠牲や強さを感じられるようなシナリオでとても感動的。

本作のキャッチコピー「命をかけた、純愛」の意味が分かるようなエンディングでした。

人によって評価の分かれる点

ルート分岐でシナリオに矛盾が生じる部分がある

ストーリーが進んでいくごとに謎やサスペンス要素が入り組んでくるので、どうしてもルートに矛盾を感じるような部分が人によって気になるかもしれません。

普通にプレイするにはそこまで気にならないと思うので、物語の整合性を特に重視する人以外にはおすすめです。

前半の1章から2章まではサスペンス要素が薄め

ストーリーは3章以降に大きく進行していきますが、それまでの1~2章はイントロダクション的な位置づけなので簡単なサスペンスや推理要素しか登場しません。

終盤にかけて尻上がりに面白くなるシナリオなので3章までは人によって物足りなさを感じるかもしれません。

総評

予想できない展開のシナリオが魅力のサスペンス&ヒューマンドラマアドベンチャー。

シナリオ重視の方やサスペンスものの作品が好きな方に特におすすめの作品なので、興味のある方はぜひプレイしてみてください。

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