発売日 | 2015年2月20日 |
ジャンル | ビジュアルノベル |
メーカー | スペルメーション |
2015年2月20日にスペルメーションから発売されたビジュアルノベル『ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない』。
本作は、小説投稿サイト「小説家になろう」の成人向け姉妹サイト「ノクターンノベルズ」で裏地ろくろ氏(裏路地)が連載していた小説が原作。
ゲームとしては
- ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない
- ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない Vol.2
- ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない Vol.3
- ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない Vol.0
の4作がリリースされていて、vol.2~vol.0は『市役所編』としてまとめて発売されています。
今回は本作(Vol.1)をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。
『ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない』について
本作のストーリー
登場キャラクター
武村 雄介
(たけむら ゆうすけ)
主人公。
サラリーマンとしてごく普通の社会生活を送っていたが、利己的で人嫌いの気がある。
世界の崩壊後、心の奥に虚無的なものを抱えながらも、好き勝手にサバイバル生活を満喫する。
ゾンビに襲われず、完全に無視されるという特徴を持つ。
両親はなく、唯一の肉親である祖父は、二年前に交通事故で死亡している。
藤野 深月
(ふじの みつき)
ヒロイン。
長い黒髪の、優等生然とした少女。
性格は素直だが、容姿に恵まれていたことから、周りに気をかけられることが常だった。
ぶしつけな態度を取る雄介に、戸惑いを隠せないでいる。
黒瀬 時子
(くろせ ときこ)
雄介のマンションの同じ階に住むOL。
根暗な文学少女がそのまま成長したような姿で、黒髪をゆるく三つ編みにして垂らしている。
ゾンビ化していたため、雄介の玩具にされる。
本作のゲーム性
本作は選択肢やエンディング分岐のないビジュアルノベル。
ゾンビであふれる世界での生存をかけたパニックもので、ゾンビに襲われないという特性をもった主人公が勇猛果敢に立ち向かっていきます。
ただ、ヒロインたちに対しては下衆で冷酷なシーンもアリ。
作中にはメインキャラとは画風の違うゾンビたちがたくさん登場します。
『Vol.1』は普通にプレイして5時間ほどでクリアでき、ノベルゲーを手軽に楽しみたい方にピッタリのボリュームになっています。
良かった点
自分だけがゾンビに襲われない特殊な設定
本作は普通のゾンビパニックものと違って主人公が襲われないという特性をもっているので、堂々としていて勇敢にみえるのが特徴的。
脅威から逃げるだけでなく、ゾンビが大量に巣食う場所に自分から向かっていくシーンもあるので、同じゾンビものでも少し違った感覚を味わえます。
パニック状況のなかの人間の狂気や汚さも描かれている
ゾンビだけでなく、危機的で閉鎖的な状況におかれた人間の異常行動や心理状態なども描かれていて、建物外ではゾンビ、建物内では人間の恐怖を味わえます。
心が休まるところがない環境のパニック感がリアルに描かれていました。
臨場感のあるSEやBGM
ドアを叩く音や電話の通話音、足音などのSEがかなり細かく入っているので、臨場感は最高。
恐怖をあおるようなBGMもあり、耳だけでも作品の空気感にのめり込めました。
人によって評価の分かれる点
主人公の性格がドライで打算的
主人公の性格が善人ではなく、ドライで自己中なところがあるので感情移入できるかどうかで評価が分かれるかもしれません。
逆にその人間臭さが良さでもあるので、人の汚さが描かれた作品が好きな人にはおすすめ。
続編を前提に製作されているのでエンディングがぶつ切り
『Vol.1』のラストはこれから面白くなるというところでぶつ切りになるので、そこが気になる人には消化不良に感じるかもしれません。
お試し的に楽しみたい人は『Vol.1』。
物語を一気に楽しみたい人やシナリオをできるだけ長く味わいたい人には、全4作品を収録した『全部パック』がおすすめです。
総評
裏地ろくろ氏のweb小説をゾンビパニックの臨場感をリアルに再現したビジュアルノベル。
R-18作品ではあまりなかったゾンビものを描いていて、普通とは一味違った設定が魅力の作品なので、ぜひ興味のある人はプレイしてみてください。
DL版(Vol.1のみ)
1,980円
DL版(全4作収録パック)
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