
発売日 | 2006年1月20日 |
ジャンル | オカルティック恋愛AVG |
メーカー | Black Cyc |
対象年齢 | R-18 |
2006年にBlack Cycから発売されたオカルティック恋愛アドベンチャーゲーム『ゴア・スクリーミング・ショウ』。
人を選ぶような刺激的な作風に反してプレイヤーからの評価が高く、泣きゲーの要素も含んだ名作。
今回はそんな『ゴア・スクリーミング・ショウ』をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。
DL版
ゴア・スクリーミング・ショウについて
ゴア・スクリーミング・ショウのストーリー

両親の渡米を機に、俺……『仁野恭司』は生まれ故郷の田舎町『呉仁(くれひと)町』に帰ってきた。
ゴア・スクリーミング・ショウより引用
そこで俺は、それぞれ縁のあった3人の少女たちと再会する。
時折、小さな波風が立つことはあっても、平穏で退屈な日々が続いていくはずだった日常。
だが、過去の記憶に呼ばれ出会ったひとりの美少女と『ゴアスクリーミングショウ』と名乗る怪人物。
彼等との出会いが、俺たちの平凡な日常に小さな亀裂をつくり、狂気と絶望に彩られた奇怪なる『非日常』へと変貌させていく―――。
登場人物(メインキャラクター)

仁野 恭司
(じんの きょうじ)
本編の主人公。
以前は呉仁町に住んでいたが、3年前に両親の都合で都会へ引っ越していた。
その数年後、両親が海外に出向することになったため、
母親の従姉妹である闇子に世話になる形で、生まれ故郷である呉仁町に戻ってきた。
どちらかといえば、反社会的で協調性にかけるアウトサイダータイプであるが、
外界とのコミュニケーションが下手なわけではない。
ロック好きが高じてギターをたしなむが、その腕はまだまだ。
子供のころからテレビヒーローの怪獣怪人が好きで、
今もその嗜好も若干ひきずっている。

一柳 あかね
(かずやぎ あかね)
主人公の幼馴染。
主人公が引っ越す前は近所に住んでおり、
親同士が仲良かったこともあって兄妹同然に育った。
性格は、勝気でお節介、リーダーシップもある明朗快活でほのぼのとした女の子。
今住んでいる田舎で普通の主婦になってしまうことを恐れており、
そうしたことから都会への憧れも強い。
皆の前では、いつも明るく振舞っているが、
実は甘えん坊で寂しがり屋さん。
昔から主人公に対し淡い恋心を抱いているようだ。

双木 葵
(なみき あおい)
内気でネガティブな女の子。あかねとは幼馴染。
運動が苦手で、勉強自体もあまり好きではない。
かといって、劣等生なわけでもない。
趣味は音楽鑑賞だが、その暗い性格とは対照的にヘヴィメタルなど激しい音楽を好む(特に鬱なゴシックメタル)。
父親と兄が自動車事故(加害者)で他界し、被害者側への賠償で安い借家へ引っ越したことが、彼女をいっそう暗い性格にさせた。
自虐的であり、人と関わるのを避けようとするが、
無神経なことを平気で口にしてしまう危うさを持つ。
明るく、誰にでも好かれるあかねに密かな嫉妬心がある。

深園 希衣佳
(みその きいか)
社長一家の令嬢。英国人の父を持つハーフ。
都会では主人公と同じ学園に通いクラスメイトだった。
偶然、親の都合で呉仁町に引っ越してきて、主人公と再会を果たす。
容姿端麗、成績優秀のお嬢様で、
学園のマドンナ的存在として祀り上げられてしまうこともしばしば。
しかし、彼女も思春期ならではの悩みを抱えており、様々な心の葛藤があるようだ。

さいたま 闇子
(さいたま やみこ)
C級アングラオカルト雑誌「ABRAZE」のライターで、主人公の母の従姉妹。
主人公の両親が渡米したことから、
その息子である主人公を引き取って一緒に住まうようになった。
「ABRAZE」執筆時のペンネームとして用意した「さいたま闇子」は、
本名の「夢川姫子」があまりにも芸名的なため、
より珍妙な名前にしようと命名したらしい。
ほんわかした大人の女性だが、自信過剰で、なかなかのやり手。
自分の発言を裏付けるための行動力は抜群。

ユカ
主人公達の前に現れた謎の少女。
いつも奇怪な猫の被り物と、ピエロのような鉄仮面を付けた怪人物「ゴア・スクリーミング・ショウ」を傍らに従えている。
無邪気で愛らしい彼女だが、時折浮かべる邪悪な笑みと、
残酷な言葉は、その幼い容姿と相俟って不気味さを倍増させる。
感情の変化がめまぐるしく、躁と鬱の間を激しく行き来しているようにも見えるのだが……。

ゴア・スクリーミング・ショウ
ユカの傍にひっそりと付き従う謎の怪人物。
その容姿は、奇怪な猫の被り物と、ピエロのような鉄仮面に血のようなマント。
会話の端々で不気味な人形を持ち出し、悪意に満ちた一人芝居を演じる。
その言動は、異常且つ残虐且つユーモラスであり、理解不能。
ゴア・スクリーミング・ショウのゲーム性

本作はオカルト×スプラッターホラー×恋愛の要素を詰め込んだテキスト型のアドベンチャーゲーム。
エンディングには、
- 一柳 あかね
- 双木 葵
- 深園 希衣佳
- さいたま 闇子
- ユカ
5人のヒロインのルートがあり、中でもユカルートでは物語の真相を描いたトゥルーエンドな内容になっています。
また、本作はバッドエンドの描写が残酷で、衝撃的なシーンが登場するのが特徴。
そんなゴア表現が苦手な方向けには、画面上に全面モザイクが施される「ゴアフィルタリングレベル」という機能が搭載されています。
ADVパートでは、選択肢を選ぶと各キャラのイメージカラーのハートマークが表示され、膨らむと好感度アップ/縮むと好感度ダウンと直感的に分かりやすい仕様のため攻略に役立ちます。
良かった点

こだわりの感じられるオカルトホラー要素
本作はホラーを題材にしたADVゲームとしても一級品で、ホラーな演出やイベントシーンにこだわりが感じられます。
大音量で流れる着信音や不穏なBGM、人間を超越したゴアの存在など、しっかりとしたオカルトホラーに恋愛要素をうまくミックスした内容になっています。
前半から中盤までの恐怖感と、終盤の感動的なシナリオのギャップも楽しめる作品です。
魅力的なキャラクター 謎の少女ユカ と 謎の怪人物ゴア
本作のキャラクターは全て個性があって面白いですが、中でもユカとゴアは特に魅力的。
一見すると敵キャラのような立ち位置で登場する2人ですが、最後までプレイすると2人の関係や目的が明らかになっていきます。
ユカに対するゴアの忠誠心がとにかくすごい!
R-18でしか表現できない世界観と内容
かなりゴアな表現や内容を扱った作品なので、一般向けでは到底できない独特な雰囲気とオリジナリティをもった作品になっています。
ゲームではあまり描かれないスプラッターな作品が好きな人や、刺激を求める人にはとてもおすすめできるような作品です。
人によって評価の分かれる点

強めなゴア表現
本作のメーカーBlack Cycが鬼畜系のハードな内容を得意としているため、作中では特にバッドエンドでかなり刺激強めのシーンが流れます。
人によってはトラウマになるほどのゴアな表現やスプラッターな内容が苦手な方にはもちろんおすすめできない内容なので注意。
ゴアフィルター機能があまり使えない
ゴア表現が苦手な方向けに搭載されているゴアフィルターですが、正直あまり使えません。
むしろ全面モザイクの方がより想像力が働いて余計にグロく感じます。
プレイ時の快適さを考えるとオフの状態にしておくのがおすすめです。
総評
クオリティの高いオカルトホラーと恋愛ADVを一作で楽しめる名作。
ゴアな表現が多く、人を選ぶような作品ですがそういった刺激強めの作風が好きな方にとってはかなりハマるような内容になっています。
ぜひ興味のある方はプレイしてみてください。
DL版

4,889円
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