1994年11月25日にチュンソフトから発売されたサウンドノベル『かまいたちの夜』。
サウンドノベルゲームの代表的な作品でとても人気の高いシリーズです。
現時点で発売されている作品を大きく分けると、
- かまいたちの夜
- かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄
- かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相
- 真かまいたちの夜 11人目の訪問者
の4作品が発売されています。
今回はこれまでに発売された『かまいたちの夜』シリーズをそれぞれ紹介していきたいと思います。
かまいたちの夜
1994年11月25日にスーパーファミコン用ゲームソフトとして発売された 初代かまいたちの夜。
その人気の高さからその後、PS1、ゲームボーイアドバンス、PSVita、PCなどでリメイク版が発売されました。
主人公である大学生の透はガールフレンドの真理にスキー旅行に誘われ、彼女の叔父である小林夫妻が長野県で経営しているペンション「シュプール」に滞在する。
そこで出会う滞在者たちと次第に打ち解けていくが、そんなあるとき「こんや、12じ、だれかがしぬ」と書かれた手紙を発見する。
その後立て続けにペンション内で発生する事件に翻弄されながら、事件解決のための真犯人探しがはじまるというあらすじ。
本作の特徴はなんといっても、ホラーやサスペンス、笑いなど多種多様なジャンルで描かれる分岐シナリオとエンディングにあります。
メインシナリオであるミステリー編では、あらすじのように事件解決に向けた真犯人探しのシナリオとなり、その内容自体も緻密なトリックが練られた本格的なものになっています。
登場人物は
透 ・・・主人公の大学生
真理 ・・・透のガールフレンド
小林二郎 ・・・ペンション「シュプール」のオーナー
小林今日子 ・・・小林二郎の妻
香山誠一 ・・・小林二郎と関係の深い大阪で会社を経営している社長
香山春子 ・・・香山誠一の妻
久保田俊夫 ・・・「シュプール」で住み込みのアルバイトをしている大学生
篠崎みどり ・・・久保田俊夫と同じく「シュプール」で住み込みのアルバイトをしている大学生
渡瀬可奈子 ・・・OL3人組の1人でロングヘア―
河村亜希 ・・・OL3人組の1人でソバージュのかかったショートヘア
北野啓子 ・・・OL3人組の1人でやや太目の体格
美樹本洋介 ・・・大柄であご髭をはやしたフリーのカメラマン
田中一郎 ・・・ロングコートに帽子にサングラスをつけた怪しげな雰囲気の滞在者
の13人で、分岐するシナリオによっては雰囲気や役回りが大きく変わることもあるのがこのゲームの面白みの一つです。
また、かまいたちの夜といえばシルエットで描かれたキャラクター達。
他のゲームではシルエットをキャラクターデザインに採用した作品はほとんどないため、かまいたちの夜シリーズならではの魅力の一つです。
このシルエットが、得体の知れない怖さやプレイヤーの想像をかきたててくれるので、このゲームにピッタリの表現方法だと改めて感じさせられます。
初代である本作が、続編であるかまいたちの夜2や3の重要な芯となる物語なので、かまいたちの夜シリーズに興味のある方にはプレイ必須の作品です。
かまいたちの夜 輪廻彩声
2017年2月16日にPSVitaで発売された作品で、後にPC版でも発売されました。
本作は、『かまいたちの夜』を5pbがリメイクした作品で、キャラクターのシルエットの登場数を減らし、立ち絵イラストを採用したデザインとなっています。
また、それぞれのキャラクターのセリフがフルボイス化されており、原作の雰囲気はそのままにこれまでとは違った『かまいたちの夜』を楽しめます。(ボイスはキャラクターごとにオンオフ可能)
『ひぐらしのなく頃に』などで有名なシナリオライターの竜騎士07さんによる新規シナリオも追加されているので、毛色の違ったストーリーも堪能できます。
シリーズファンというよりも、刺激強めの表現が好きな『かまいたちの夜』を未プレイの方におすすめしたい作品です。
かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄
2002年7月18日にPlayStation2用ソフトとして発売された『かまいたちの夜』シリーズ2作目です。
前作を劇中劇として繰り広げられていくストーリーが特徴的な内容となっています。
冬山のペンション「シュプール」で起こる殺人事件を描いたゲーム『かまいたちの夜』。
そのゲームがヒットした礼と称して、作者である我孫子武丸から彼の別荘「三日月館」があるという絶海の孤島「三日月島」に招待された透と真理。
そこで会したのは1年半前のシュプールでともにした人たちであった。
そこで起こる事件に恐怖しながらも解決に向け真犯人を探し出すという物語。
ゲーム内でもかまいたちの夜をフィクション作品として扱っているため、前作の登場人物も犠牲者なく、親密な雰囲気で物語は始まります。
前作の小さなペンションから閉鎖的で大きな別荘に場所が変わったため、前作よりもその大きい敷地をいかした大胆な仕掛けやトリックが施されています。
また、キャラクターのシルエットも進化しており、アニメーションを多く取り入れたことで、シルエットなのに表情が感じられるような臨場感あるクオリティになっています。
本作はサブシナリオが独特で、オカルトや鬱、グロ表現の多めの物語が多く、ホラーゲーム作品としてクオリティが高いものになっています。
そこが賛否が分かれる部分でもありますが、刺激強めのホラーが好きな方にとってはとてもおすすめできる作品です。
かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相
2006年7月27日にPlayStation2用ソフトとして発売された『かまいたちの夜』シリーズの完結編です。
三日月島で起きた事件から月日が流れ、当事者である香山誠一は三日月島の呪いに苦しむ亡き人物の夢を何度も見るようになる。
祈祷師によると、過去に三日月島を統治していた岸猿家の当主、岸猿伊衛門の強い怨念から、島で亡くなった者は魂を束縛され成仏できずにいるという話をきく。
香山は彦田の助言に従って三日月の館を修復し、事件の一年後の8月15日に、事件の関係者一同を集め、浮かばれぬ魂の供養を行うことを決意する。
そこで巻き起こる事件をもとに、この一連の事件の真犯人とその真相を解き明かしていくという物語。
本作には、『1』と『2』のメインシナリオが収録されているため、この1作で『かまいたちの夜』本編のストーリーの全容をプレイすることができます。(サブシナリオは未収録)
ゲームシステムとして、三日月島での起こる事件を4人の異なる登場人物の視点から描いているため、1人ずつシナリオを進めていくことで物語が補完され、事件の全体像が見えてくる面白さを感じられる作品です。
『2』にあった不明な点や謎を残した部分を補足し、ストーリーとしてきれいな幕引きといえるようなエンディングとなっています。
前作と密接につながった作品ですので、『2』をプレイした方やメインシナリオだけを楽しみたいという方におすすめの作品です。
真かまいたちの夜 11人目の訪問者
2011年12月17日にPlayStation3、PSVitaで発売された『かまいたちの夜』シリーズ4作目。
小説家志望の坂巻快人は小説の題材を探しに、妖怪伝説が多く残る岩手県遠野市のペンション「ブラウニー」に訪れた。
そこには大学時代の友人であった立花京香や、彼女の就職先の上司である池谷雅也など宿泊予定者10人のはずが合計で11人の宿泊客がいた。
そんな状況の中、宿泊客たちの部屋には「今夜7時のサプライズ・パーティーをお楽しみに」というメッセージカード。
その後立て続けに起こる事件の真相を追及していくという物語。
本作のテーマが原点回帰であることから、第1作目『かまいたちの夜』を彷彿とさせるような外界との連絡の途絶えた小さなペンションで起こる殺人劇となっています。
1作目から脚本に参加している我孫子武丸をはじめとした多数のライターを起用しているため、サブシナリオでは多様性のあるストーリーが展開されているのが特徴です。
推理システムの刷新や、制限時間によって変わっていく選択肢などの新システムが導入されたことで、今までのシリーズにはなかったゲーム性を楽しめます。
1作目ほどの緊張感や恐怖には劣りますが、ミステリー作品として楽しめるものになっているので、対応機種を持っている方は是非プレイしてみてください。
コメント