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発売日(PC) | HDリメイク版 : 2023年4月28日 |
ジャンル | 和風サイコミステリィADV |
メーカー | Innocent Grey |
対応OS(HDリメイク版) | Windows 10/11 |
対象年齢 | R-18 |
2023年4月28日に『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜《REBIRTH FHD SIZE EDITION》』が発売されました。
本作は2005年発売のオリジナル版のHDリメイク作で、Innocent Greyのデビュー作でもあります。
主な変更点は、
- 画面サイズの変更:800×600→1920×1080のFHD仕様
- CGのリファイン:立ち絵、背景、スチルをほぼすべてリファイン、リサイズ
- シナリオの追加・修正:サクラメントを本編に組み込むためにシナリオ全体のブラッシュアップを行い、さらにキャラエンド等の新規シーンを追加
- BGMのリファイン:音楽に関しても全曲ブラッシュアップ。生楽器も追加し、すべて新たに収録しております。さらに新規OP曲とムービーも作成
- フルボイス:主人公高城秋五のボイスを新規収録。フルボイスとなって生まれ変わります。新規シーン等の音声も追加
と盛りだくさんの内容。
今回はHDリメイク版の発売前にオリジナル版をプレイしての感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。
『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』 について
『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』 のストーリー
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昭和二十六年二月。終戦から六年が過ぎた日本。
探偵である主人公高城秋五のもとに上司の有島一磨から1つの依頼が届く。
その依頼は、「逗子の良家息女が失踪事件」について、捜索対象は上月由良。
かつて高城秋五の恋人で、開戦前に別れを告げた女性であった。
依頼主が待つ逗子へと到着すると上月由良の妹である上月和菜と出会い、姉を探し出してほしいと懇願される。
だが、上月夫妻は秋五へと告げた。 「由良は失踪などしていません。既に亡くなっているのです…」
上野の町を舞台に、交錯する虚構と真実を解き明かし、様々な事件に立ち向かっていく。
というあらすじ。
本格的なミステリーを取り入れたシナリオと、謎が謎を呼ぶ重厚なストーリーが特徴のアドベンチャーゲームです。
登場キャラクター
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高城 秋五
(たかしろ しゅうご)
本作の主人公。戦時中は兵士として大陸に赴き、退役後は警察官として働いていた青年。
しかし現在は、上野の遊郭『雪白』に間借りして日々を過ごし、過去の経歴を活かして、 探偵業の真似事をして食い扶持を得ている。
過去のある出来事が彼の性格に影を落としてか、人との深い関わりを避ける傾向があり、遊郭の女達とも距離を置いている。
そんなある日、かつての上司・有島警部より彼に人探しの依頼が持ち込まれた。
それは、過去に彼が交際していた少女 『上月由良』に関するものであった……。
「大切なもの、オレは守り切れるだろうか――」
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上月 和菜
(こうづき かずな)
舞台女優を目指し、東京で活動をしている少女。
実家は 逗子の有力な金満家であり、言うならば世間知らず箱入り娘。
五年前に失踪した姉を忘れられず、ある目撃情報をきっかけに、両親の反対を押し切って秋五に姉の捜索を依頼する。
楚々とした外見とは裏腹に活発で明るい性格を持ち、その行動が周囲に混乱を引き起こすこともある。
また、人付き合いを避ける主人公にも積極的に関わろうして、 次第に彼のかたくなな心を溶かしていく。
「それでも、わたしは諦めたりしませんっ!」
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高城 七七
(たかしろ なな)
秋五の妹。現在、上野にある私立華陽学園に通っている。
兄の心配をよそにエキセントリックな言動を繰り返す、博覧強記の天才少女。
世間一般の常識を鼻で笑い、己の価値観のみに従って行動する。
そんな性格ゆえに友人の類は少なく孤高の学生生活を送っているが、当人は気にする風もない。
上野の連続猟奇事件に並々ならぬ興味を持ち、秋五の制止を
無視して単独の捜査を開始する。
「真実は無数にあるんだ。ボクと君の見える世界が違うようにね」
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蒼木 冬史
(あおき とうじ)
上野界隈を拠点とする組織『死の腕』の幹部を努める女性。
その運動能力は凄まじく、隻腕と言うハンデを感じさせない強さを誇っている。
警察官として働いていた主人公とある事件をきっかけで知り合い、それ以来の付き合い。
それぞれ立場や守るべきものは違うものの、互いに気を許した親友同士。
怜悧な外見に似合わず朴訥で仁義に厚い性格で、窮地に陥った主人公に度々助けの手を差し伸べる。
「忘れるな、お前は決して一人ではない」
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初音
(はつね)
秋五が間借りする遊郭『雪白』で下働きをしている少女。
ある事情で身寄りをなくし、幼い頃から雪白で暮らしていた。
長い間おとなに混じって働いていたため、儚げな容姿にも関わらず性格はしっかりしている。
反面、自分の気持ちを押さえ込んでしまう傾向がある。
秋五によくなついていて、進んで朝夕の食事や身の回りの世話をしてくれている。
「初めから、ぜんぶ決まっていたことだから……」
その他キャラクター
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登場キャラクターも多く、とても個性的。
どのキャラクターもストーリーに深く関わってきます。
『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』 のゲーム性
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本作は、探偵モノのテキストアドベンチャーゲーム。
基本的には選択肢の分岐によってストーリーが進行していきます。
6人のキャラクターにエンディングがあり、それぞれのルートで違った結末を見ることができます。
そのうちのメインヒロイン上月和菜のトゥルーエンドでは、事件の衝撃的な全貌が描かれており、カルタグラの全てを知るにはプレイ必須のルートです。
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ミステリー要素が本格的で、それぞれの事件の謎が点と点でつながっていく感じが最高に面白いです。
また謎解きが苦手という方でも、主人公高城秋五の妹・高城七七が作中でヒントや情報の整理などアシストしてくれるので問題なくプレイできます。
ただただ謎を解いていくゲームというよりも、ミステリーを題材にした壮大な物語を楽しみたいという方に特におすすめの作品です。
良かった点
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本格的なミステリー
ゲームのジャンルとしてはあまり取り扱われない本格ミステリーを題材とした希少な作品です。
物語としてのボリュームもあり、主人公の探偵となって長くミステリーの世界に浸ることができます。
ほのぼのとした日常パートとは真逆の重くシリアスなシーンの連続。
特にトゥルーエンドの最終局面は、鳥肌が立つほど圧倒されます。
「和」を感じられるような世界観や音楽
本作には、着物をまとったキャラやかんざし、和傘など「和」を感じられるようなものが多く登場します。
主人公が居候している場所も遊郭「雪白」で、戦後の時代感も同時に味わうことができます。
上野を舞台としているため、周辺にある東京の地名が多く登場し、プレイするうえでイメージしやすいです。
また、音楽も「和」テイストの癒される曲が多く、逆に緊迫感のある曲もシーンによっては流れるのでそのギャップも面白いです。
R-18を存分に活かした表現
R-18作品のため、一般向けに比べて規制が少なく、強気なシナリオや表現が全面に出ているのでとても刺激的で面白いです。
一般向けではできないような表現のおかげで、事件の恐怖感やリアル感が最大限に演出されています。
ミステリー作品のゲームが好きな方がひそかに求めていた要素を満たしてくれるので、Innocent Grey作品の大きな強みといえます。
人によって評価の分かれる点
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グロテスクなシーンが多め
本作には、グロテスクなシーンが多く出てきます。
もちろん「アダルトゲーム」というカテゴリのため性的なシーンもありますが、どちらかというとグロテスクな方がR-18指定の大きな要因だと思います。
得意な方にとっては大きなメリットですが、そうでない方には刺激が強めのため手放しにおすすめできません。
もし、そういうシーンが苦手な方は、強めの表現を抑えたPlayStation2版が発売されているのでそちらをプレイするのもアリだと思います。
総評
本格派ミステリーをゲームで楽しみたいという方におすすめできる最高のアドベンチャーゲーム。
まさかのリメイク版の登場ということで、まだやったことがない方にぜひプレイしてほしい名作です。
本作の世界観とゲーム性を引き継いだ『殻の少女』シリーズも人気が高く、面白いのでぜひInnocent Grey作品の最初の1作として『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』を楽しんでみてください。
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