
発売日 | 2009年10月30日 |
ジャンル | スラッシュダークADV |
メーカー | ニトロプラス |
対象年齢 | R-18 |
2009年にニトロプラスから発売されたスラッシュダークアドベンチャーゲーム『装甲悪鬼村正』。
ニトロプラス創立10周年に発売された記念すべき作品で、豪華キャストや新しいシステムの導入など製作にかなり力が込められています。
今回はそんな『装甲悪鬼村正』をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。
装甲悪鬼村正について

装甲悪鬼村正のストーリー
超能の鎧「劔冑」を駆る戦士「武者」が戦場を席巻する世界。
装甲悪鬼村正より引用
非公式の警官を称する男・湊斗景明は、赤い劔冑「村正」を纏い、ある時は卑劣な連続殺●犯に、またある時は軍兵の暴虐に挑み、最強の武者たる己の力をもって打倒する。
だが決して、彼が正義を称することはない。「鬼に逢うては鬼を斬り、仏に逢うては仏を斬る」─劔冑との合身を果たす時に彼が口にする一句、それは過去を語り未来を予言する、真実の言葉なのである。
彼は殺すのだ。
悪だけでなく、悪に虐げられていた善良な人々をも。
……これは驚くべきことであろうか?
否。
何故なら彼の劔冑の銘は勢洲右衛門尉村正。
呪われし「妖甲」、かつて大和全土を地獄に変えたことすらある、かの村正なのであるから。
登場人物(メインキャラクターのみ)

湊斗 景明
物語の主人公。
陰鬱な風貌の青年。
警官と称して殺戮者「銀星号」を追うが、その過程で奇怪な殺人を積み重ねる。
「一身上の都合により……貴方を殺害する」

綾弥 一条
鎌倉市内に住む学生。
正義感が異常なほど強く、非道を行う者には力の及ぶ限り挑もうとする。
景明と出会った当初は、臆病者と思って軽蔑するが、
とある事件をきっかけに景明と行動を共にすることになる。
「あたしは六波羅を憎みます。あいつらは、間違っているから」

大鳥 香奈枝
流麗な長身を持つ女性。
大和の名族大鳥家の娘だが、現在はGHQに所属している。
とある任務の最中に景明と出会い、以後彼に好意を示して何それとなく近付く。
コントラバスの演奏が趣味。
「景明さまは……人を殺すのがお好きですか?」

足利 茶々丸
大将領足利護氏に仕える四人の公方(将軍)の一人、堀越公方。
明るく人懐っこい少女だが、年齢に相応しくないその地位は、実の父親を殺して奪い取ったものである。
ある目的を持って景明に接近する。
「力だけの政治はもう終わった。これからはエンターテイメントの時代だっ!」
装甲悪鬼村正のゲーム性

発売当時では珍しかったワイド仕様の画面と縦型フォーマットが特徴的なテキストアドベンチャーゲーム。
劔冑とよばれる戦闘兵器を駆使して闘う熱いバトルもの×ダークファンタジーな内容になっています。
善悪相殺の呪いをもつ劔冑村正の使い手である主人公湊斗 景明の宿命や苦悩がストーリーに色濃く描かれています。
また、その善悪相殺の呪いをうまく利用した衝撃的なゲームシステムが、普通の作品では終わらせないニトロプラス作品ならではの良さを味わえました。


本作のシナリオライター 奈良原一鉄氏が古流剣術の師範代ということもあり、リアリティのある戦闘描写が特徴的。
ライターの趣味趣向が存分に出た独自の作風が他の作品にはない面白さを体感できます。
エンディングはバッドエンドを除くと、
- 3人の各メインヒロインのEND
- ノーマルEND
- 真END(TRUE END)
があり、メインヒロインたちのENDを達成することで真ENDへのルートが解放されます。
真ENDが本作のストーリーの肝になっている部分なので、ぜひ最後までプレイしてみて下さい。
良かった点

重厚さと熱血さを感じられるダークファンタジー
善悪相殺の呪いを背負った主人公の湊斗 景明がたくさんの人々と関わっていくうえで、直面する問題や葛藤が忠実に描かれています。
全体的にダークな雰囲気が漂っていますが、日常シーンでの平穏さやバトルシーン・物語終盤の熱血さが最高に楽しめました。
ダークな物語や熱いバトルものの作品が好きな方にはとてもおすすめです。
味方だけでなく敵キャラクターも魅力的
綾弥 一条や大鳥 香奈枝などの味方キャラはもちろん、対立する敵キャラクターもとても魅力的。
特にチンピラのような風貌をした雪車町一蔵というキャラクターは善悪や敵対という関係だけではない独特のキャラクターで好みでした。
登場人物が多いので相関関係や歴史ものとして楽しむのも面白いかもしれません。
大ボリュームのシナリオ
本作は、テキスト量が膨大で重厚なシナリオに仕上がっています。
通常にプレイして真ENDまでのクリア時間が約30~40時間ほどかかるので物語の世界に長く浸っていたい方や長編ものが好きな方にはおすすめです。
人によって評価の分かれる点

クセの強い戦闘描写
シナリオライター奈良原一鉄氏の戦闘描写はリアルな緊張感があり本作の魅力でもありますが、力を込められているためかなり長めのテキストになっています。
バトルシーンにそこまで熱が入らない方にとってはマイナスに感じる要素かもしれません。
ただ戦闘シーンではちょっとしたアニメーションが施されているので、長いテキストが苦手な人でも見て楽しめるようになっています。
攻略難易度が少し高め
シナリオが膨大ということもあり、ルート分岐が少し複雑でいくつかのバッドエンドがあるため、攻略情報を見ずにクリアを目指すとかなり大変かもしれません。
分岐ポイントを確かめたり攻略に詰まったりしたら攻略手順のかかれた攻略サイトのチャートを見るのをおすすめします。
総評
ニトロプラス創立10周年記念の作品としてふさわしい和風ダークADVの傑作。
CGやアニメーション、OP映像、キャストなど特に力が込められていて、制作規模もシナリオもどちらも大ボリュームの内容になっています。
発売から時間が経ったこともあり、発売当初より安価でプレイしやすくなったのでぜひ興味のある方はプレイしてみてください。
DL版

4,889円
パッケージ版

5,805円
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