【オカルトADV】パラノマサイト FILE23 本所七不思議　レビュー

発売日	2023年3月9日
ジャンル	ホラーミステリーADV
CERO	D (17歳以上対象)
対応機種	Nintendo Switch PC iOS/Android

2023年3月9日にスクウェア・エニックスから『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』がリリースされました。

本作はホラーミステリーを題材にしたアドベンチャーゲームで、メタスコアでは90点に近いスコアを叩き出すほど高い評価を受けています。

今回はそんな『パラノマサイト』をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。

パラノマサイトについて

パラノマサイトのストーリー

ごく普通の会社員・興家彰吾は、友人の福永葉子とともに、
深夜の錦糸堀公園で、地元では有名な怪談、《本所七不思議》について調べていた。

《蘇りの秘術》と関係するという葉子の話を半信半疑で聞き流していた興家だったが、
目の前で次々と奇妙なことが起こり始める‥‥。

時を同じくして、《本所七不思議》を追う人々がいた。
連続変死事件を追う刑事、クラスメイトの自殺事件の真相を求める女子高生、そして失った息子の復讐を誓う母親。

本所七不思議を中心にそれぞれの思惑が絡みあい、物語は凄惨な呪い合いへと発展していく。

マイニンテンドーストア販売ページより引用

パラノマサイトのゲーム性

本作は、テキスト形式のアドベンチャーゲーム要素と360°背景の探索ゲーム要素を混ぜ合わせたゲーム性。

昭和後期の日本、墨田区を舞台に都市伝説「本所七不思議」をもとに呪いを秘めた「呪詛珠」を手にしたキャラクターたちの駆け引きやバトルを楽しめます。

錦糸堀公園や旧安田庭園、駒形橋など実在のスポットや名所が数多く登場し、360°背景で全方位を探索することが可能。

後ろを振り向くアクションや徐々に変化していく背景など、臨場感の高い探索を楽しめます。

ノベルゲームだけでは物足りないという方にも入り込みやすく、ゲームとして操作アクションを上手く使った内容になっています。

また、同じ時間軸を複数のキャラクターの視点から体験できる群像劇になっているのも特徴的。

同様のイベントでもキャラクターごとの思惑や行動、攻略方法が違うため、いろんな角度からストーリーを俯瞰的に楽しめます。

物語中ではそれぞれがもつ「呪詛珠」の能力を駆使したり、敵の弱点を突いたりすることでストーリーが展開していきます。

エンディングは真エンドを含め6種類あり、各キャラクターのその後にスポットを当てた内容になっているので理解を深めたい方にはおすすめ。

都市伝説などのオカルトやノベルゲームが好きな方にはおすすめの作品です。

良かった点

メタフィクションを取り入れた謎解き的ゲーム性

本作には、プレイヤーをゲームの世界にのめり込ませるようなメタフィクション要素がいくつかあります。

コンフィグの設定や、選択肢にとらわれない行動を起こすことで物語が進んでいくことがあるため、柔軟な発想力が重要。

現実とゲーム世界が繋がったような感覚が味わえるのでとても面白いです。

オカルト要素を詰め込んだ作風

作中には本所七不思議やこっくりさんなど、都市伝説やオカルトがふんだんに盛り込まれています。

資料や解説も豊富なので、オカルトが好きな方におすすめできる内容になっています。

探偵・主婦・学生などのいろんなキャラクター視点のシナリオ

探偵・主婦・学生・警部・会社員とキャラクターの年齢層が広く、バラエティに富んでいます。

それぞれのキャラが、死者を復活させる「蘇り」の効能を求めて、違った目的を掲げながら駆け引きを繰り広げていきます。

いろんな人間ドラマを同時並行で見ることができるので、比較的短めながらとても濃い内容。

群像劇ものが好きな方にもおすすめの作品です。

人によって評価の分かれる点

ホラー要素はそこまで強くない

恐怖を感じるようなホラー要素はあまりないため、ビックリ系や緊張感が走るようなホラーゲームを求めている人にはあまり合わないかもしれません。

ただ『流行り神』シリーズのようなオカルトを扱ったゲームが好きな方にはかなりおすすめです。

バッテリー消費が早い (iOS版)

iOS版でプレイしてみましたが、バッテリーの消費が少し早く感じました。

出先でスキマ時間にプレイするというよりも、自宅など充電できるような環境でのプレイをおすすめします。

また、Android / Nintendo Switch / Steam版もあるのでお持ちの方はぜひ他機種でプレイしてみてください。

総評

オカルト×群像劇シナリオの探索アドベンチャーゲーム。

都市伝説をモチーフにした作風が面白く、キャラクターたちも個性的で短いながら内容の濃いゲームでした。

ノベルゲームやオカルトが好きな方に特におすすめの作品なので、興味のある方はぜひプレイしてみてください。