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発売日 | 2007年1月18日 |
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ジャンル | ADV |
メーカー | light |
対象年齢 | R-18 |
2007年1月18日にlightから発売されたアドベンチャーゲーム『潮風の消える海に』。
本作はロープライス作品で、『群青の空を越えて』/『僕と、僕らの夏』などでおなじみの早狩武志氏がシナリオを担当しています。
今回はそんな『潮風の消える海に』をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。
DL版
潮風の消える海に『潮風の消える海に』について
『潮風の消える海に』のストーリー
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神奈川県横浜市鶴見区に広がる工業地帯。
潮風の消える海により引用
意味などない、ただの行き止まりの、詰まったクソみたいな場所。
誰も来ないはずのこの場所でぼんやりと海を眺めていた進は、偶然、この場所に訪れた東上浩介と出会う。
浩介はつまらなそうにしている進に話しかけ、水没したヨットの再生計画をもちかける。
「沈んでいるヨットを引き上げ、自分たちの手で再生して、何処か知らない場所に行きたい。」
そんなあまりに突拍子もない話をする浩介に惹かれ、進もヨットの修理を手伝うことになる。
さらに複雑な家庭環境にコンプレックスを持つ榎木田美潮と
明るくて穏やかな飲み屋の娘の椎木莉佳子がメンバーに加わり、4人はヨットを修理していく。
様々なトラブルやすれ違いが起こりつつも、4人はそれを乗り越え、絆を深めていく。
そして、進は自分と同じようなコンプレックスを持つ美潮にだんだんと惹かれ始めていく。
はたして4人は無事ヨットを完成させ、旅立つことができるのだろうか――?
登場キャラクター
主人公
宮地 進
(みやち すすむ)
両親は離婚していて父子家庭。母親はすでに他で再婚している。
四歳ほど離れた姉が一人居るが、すでに独立して家を出ている。
父親は真面目だが仕事が第一で子供にあまり干渉しない。
実は進は母親の浮気相手の子供で、父親とは直接の血縁関係は無い(姉は違う)。
背は結構高いが、容姿は平凡。比較的無口で無愛想。理系。
複雑な家庭環境が理由で、頭は良いが熱意の少ない冷めたタイプ。
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榎木田 美潮
(えのきだ みしお)
メインヒロイン。両親は再婚しており、母親の連れ子。
義理の父は会社経営者。一人っ子。父親との仲はかなり微妙。好きでも嫌いでもなく、他人という感じ。
死んだ本当の父親はヨットマン。海で遭難死した。幼い頃、海で遊んでもらった記憶は残っている。だから海は好き。
クラスでは周囲にいつも人が居る人気者。お嬢様として明るく振る舞っている。
ただし、微妙に浮いている側面もある(皆に好かれているけれど親しい友人は一人も居ない)
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椎木 莉佳子
(ついき りかこ)
友人。クラスでは浮いた存在だが、偶然二人と知り合い、ヨット修理を手伝う。
国道駅側の飲み屋の一人娘。母子家庭で、いつも夜は店を手伝っている。
一部で遊び人と陰口を叩かれているが本当はかなり古風なタイプ。
性格は明るくて穏やか。でも気を許した相手には拗ねてみせるような一面も。
美潮のクラスでの演技じみた態度に気づいているが、口出しはせずじっと見守っている。
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東上 浩介
(とうじょう こうすけ)
友人。偶然進と知り合い、ヨットの修理を通じて親友になる。安善駅前の古い一軒家に住む。
貧乏だが仲の良い穏やかな家庭で真っ直ぐ育った好青年。時折、その素直さが主人公たちには眩しくうつる。
性格は、無鉄砲でお人好しで調子がいい。かなり馬鹿っぽい性格だが、本質的には天才肌でかなり賢い。
容姿はかなり格好よい。ただし、本人が無頓着でいつも汚れた格好をしているので台無しに。
『潮風の消える海に』のゲーム性
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本作はシナリオ中に選択肢のないノベルゲーム型のゲーム性。
神奈川県横浜市鶴見区の工業地帯を舞台にしていて、水没したヨットの再生をするために集まった4人の若者たちを描いたストーリー。
海が広がる青々とした世界観と甘酸っぱい恋愛物語が温かさのある青春を押し出した作風になっています。
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システム面は一般的なアドベンチャーゲームと同じく、画面下に1~3行のテキストが表示される見やすいオーソドックスな仕様。
背景CGなどをメインに映したシーンがあったり、アニメーションの動きがあったりとこだわられているのが特徴的。
シナリオはエロゲの中でもかなり短編でクリアまで3~5時間ほどのコンパクトなボリュームになっています。
良かった点
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実際にある神奈川の工業地帯を舞台にした世界観
神奈川県横浜市鶴見区の工業地帯(南武線・浜川崎支線) 周辺を忠実に再現しているので、地元民や実際に行ったことがある人は没入度がかなり高いです。
綺麗な海や駅・改札、マンション立ち並ぶ都会と自然豊かな田舎をどちらも味わえる世界観が魅力。
リアリティのある舞台の温かみやノスタルジーを味わいたい人に特におすすめ。
空白期間を超えた先にあるラブストーリー
出会いから恋愛関係になるまでの期間が長く、キャラクター達の色々な問題や壁を乗り越えていくラブストーリーが特徴的。
親子関係や婚姻関係のトラブルや問題が入り組んでいて、それを徐々にうち明かしたり、解決したりして徐々に距離が縮まっていく成長を感じるシナリオを味わえます。
最初の何気ない主人公とヒロイン・美潮のいざこざシーンが、ラストの恋愛が実った1コマにつながる印象的な伏線になっていてラストで感動できます。
海が波立つ細かなアニメーション
ところどころで入る海を全面に映した背景CGに、波が立つアニメーションが入っていて細かいところにこだわりが感じられるところが◎。
作品のもつ雰囲気やビジュアル面にこだわりのある人にもおすすめ。
人によって評価の分かれる点
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短編のシナリオ
エロゲの中でもかなり短編でクリアまで3~5時間ほどのコンパクトなボリュームなので、長編の大作シナリオのエロゲをプレイしたい人にとっては物足りないかもしれません。
またストーリーを濃く詰め込んでいるのでシナリオの展開が少し早足気味。
ただロープライスで気軽にプレイできるので、短くまとまったストーリーをサクッと楽しみたい人にはおすすめ。
主人公のヘタレ感
長い恋愛の空白期間が入るきっかけにもなる主人公のヘタレ感が、プレイヤーによっては感情移入しづらいかもしれません。
ただ『潮風の消える海に』のリアリティや青臭さを醸しだす要素でもあるので、この主人公のうまくいかない感じを楽しめる人には面白さでプラスになります。
総評
lightのロープライス作品で、ヨットや海を題材にした短編の王道ラブストーリーの隠れた良作。
中弛みなくサクサクと進んでいくテンポの良いシナリオと、リアリティのある舞台設定とキャラクター達が魅力的。
手軽にサクッとシナリオを味わいたい人に特におすすめの作品なので、興味のある人はぜひプレイしてみてください。
DL版
![](https://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0372/views_0372ps.jpg)
2,995円
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