![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/R-2-edited.jpg)
発売日 | 2005年7月29日 |
ジャンル | ビジュアルノベル |
メーカー | Le.Chocolat meets FlyingShine |
対象年齢 | R-18 |
FlyingShineが開発し、Le.Chocolatから発売されたアドベンチャーゲーム『SWAN SONG』。
本作は人気シナリオライター瀬戸口廉也氏のデビュー作『CARNIVAL』に続く2作目のタイトルで、パッケージ版がプレミア価格で取引されるほど評価の高い作品です。
現在はダウンロード版がリリースされているため簡単にプレイ可能。
今回はそんな『SWAN SONG』をプレイしてみて感じたことや良かった点、人によって評価の分かれる点について紹介していきます。
DL版
SWAN SONGについて
SWAN SONGのストーリー
![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/image-5.png)
その夜。
SWANSONGより引用
それまで通り過ぎるだけの他人だったぼくたちは
大きな運命の煮えたぎる一つの釜の中に投げ込まれてしまった。
まもなく一年を終えようとする12月24日。
降誕祭の前日。その山奥の都市には昼頃から雪が舞い落ちて、
ホワイト・クリスマスを祝う喜びに満ちた空気が街中を覆っていた。
レストランや駅を飾るイルミネーションは、陽が落ち、人々が眠りについた後も、しずかに瞬いていた。
その幸福な眠りを乗せた大地が、突如として揺れ、そして平和な世界は一変する。
アスファルトは裂け、建物は崩れ落ち、暗闇のあちこちから恐ろしい悲鳴があがった。
ごく平穏な住宅街の光景は、瞬時にして地獄の景色となる。
その街で一人暮らしをする大学生 尼子司は、混乱の中で奇跡的に一命を拾った。
廃墟のなかを彷徨ううちに自閉症の少女 八坂あろえと出会う。
そして彼女と共に避難先を求めて歩きはじめた。
風が強くなり、すっかり吹雪となってしまった街。
瓦礫を踏みしめながら、司たちは辛うじて体を風雪から守ってくれる建物を見つけた。
それは古ぼけた教会で、司はひとまずその場所で休憩を取ることに決めた。
司と同じ様に地震で家を失った若者達が、やはり同じ様にして、集まってくる。
そうして、雪の降る教会で、彼らは出会った。
登場人物
![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/image-7-edited.png)
![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/image-10.png)
公式サイトより引用
SWAN SONGのゲーム性
![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/image-6.png)
大災害によって崩壊した地域で生き延びようとする人々を描いたテキスト型のアドベンチャーゲーム。
主人公だけでなく、他の主要キャラ視点のイベントシーンも描かれている群像劇の要素と絡めてストーリーが展開していきます。
他作品にあるような立ち絵がなく、キャラの顔を表示した吹き出しのような会話テキストがとても特徴的。
また、一枚絵やカットインCGなどプレイヤーの臨場感を高めてくれる演出が多く、見入ってしまうこだわりが感じられました。
全編フルボイスのため、キャラクターの個性や心情がはっきりしていて、ストーリーが理解しやすくなっています。
シリアスさやパニック系の作品が好きな方にはイチオシの内容。
良かった点
![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/image-11.png)
パニック状態の人間の心理や醜さがリアルに表現されている
法律や常識が通用しない無秩序な極限状態で偶然に集まった若者たちが生き延びるために奮闘する様子がリアルに描かれていました。
登場人物の中には、徐々に狂っていくキャラや悲惨な結末を迎えるキャラもいて、ストーリーのほとんどがシリアスな内容になっています。
背徳行為や暴力、宗教であふれかえった世界にもしも変わってしまったら…というシミュレーションとしても楽しめる内容だと思います。
残酷さと美しさの独特な世界観
雪が降って湖面が凍るような冬の寒さと美しさ、暴動や奪い合いで必死に生き延びようとする生存者の異質さが独特の雰囲気を生み出しています。
『SWAN SONG』でしか味わえないような不思議な雰囲気がこの作品にはあるので、ゲームの世界観を重視している人に特におすすめです。
R-18の要素を活かしたストーリー
どうしても取って付けたような印象になりがちなR-18要素ですが、本作では無秩序さや狂気を演出するのに重要な役割を果たしてくれています。
逆に一般向けでは表現しづらいような内容のため、R-18作品ならではの良さを感じられるような作品だと感じました。
人によって評価の分かれる点
![](https://game-fanatics.com/wp-content/uploads/2023/06/image-12.png)
一つ一つのテキストが長め
一つ一つのテキストが比較的長文で、盛り上がる場面や心理状態を深く表現している場面では全画面がテキストで埋めつくされるようなシーンもあります。
そのため長文テキストや文字が並びすぎるのが苦手な人にとっては、少し抵抗のある部分かもしれません。
ただ、テキストが長文のところでは特に丁寧に心理描写や状況が描かれているので、『SWAN SONG』のストーリーをしっかり理解するのにとても重要。
ストーリー自体は短めなので、ぜひ細かなところまで読み込んでプレイするのがおすすめです。
総評
大災害でパニック状態の無秩序と化した地域を題材に、R-18作品ならではの特長を生かしたストーリーが魅力の作品。
鬱ゲーとよばれていますが、美しさや切なさも同時に兼ね備えた独特の雰囲気のあるゲームになっています。
比較的に短編なので、良質で内容の濃いシナリオをサクッとプレイしたいという方におすすめです。
ぜひ、興味のある方はプレイしてみてください。
DL版
![](https://pics.dmm.co.jp/digital/pcgame/views_0277/views_0277ps.jpg)
3,080円
コメント